メダカの視物質
メダカopsin系統関係
我々は、メダカ網膜に発現しているオプシン遺伝子を検索し、5種のオプシン(R, G, Rh, B, V)をコードするcDNAを単離した。アミノ酸配列を元に計算した分子系統樹から、メダカの5種類の視細胞に発現している視物質は、別々のサブファミリーに含まれることが明らかになった。
メダカ・ロドプシンの発現
メダカRh mRNAの局在を示す濃青色のシグナルは、桿体のミオイドの部分に観察される(左図)。水平切片では、錐体モザイク配列の隙間にシグナルが見られる(右図)。このことから、メダカRhのmRNAは、桿体に発現することが明らかになった。(D:複錐体、L:長短錐体、S:短単錐体)
メダカ・錐体オプシンの発現
また、R (LWS), G (RH2), B (SWS2), V (SWS1) の各オプシンmRNAは、それぞれ複錐体(主体)、複錐体(副体)、長短錐体、短単錐体のミオイド部分に見られた。このことから、それぞれの錐体サブタイプに発現しているopsinが同定された。(D:複錐体、Pr:複錐体主体、Ac:複錐体副体、L:長短錐体、S:短単錐体)
各視細胞の波長感受性
顕微分光法による解析と比較することによって、それぞれの波長感受性を推定することができる。脊椎動物では、オプシンサブファミリーと視物質の色感受性に密接な関連性があることが明らかになってきた(左図)。また、硬骨魚類では、オプシンサブファミリーと発現する視細胞の形態の間に、一般的な対応関係があることも推測された。
参考文献 :
・Hisatomi et al. (1997) The primary structure and distribution of killifish visual pigments. Vision Res.37(22), 3089-3096. (PubMed)
・久冨修、徳永史生 (2000) 魚類の視物質の分子進化、蛋白質核酸酵素別冊、45(17), 2924-2930. [abstract]
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