魚類の視物質の分子進化
Molecular basis for the evolution of teleost vision

久冨 修、徳永 史生 (2000)
蛋白質核酸酵素別冊、45(17), 2924-2930.(共立出版)

 視細胞の波長感受性はそこに存在する視物質に依存しているので,視物質の研究により,生物がどのように環境へ適応しているかを分子レベルで調べることができる。一次構造の解析により,脊椎動物のオプシンには,5種のグループが存在することが明らかになった。それらのグループの存在は,脊椎動物の色覚の分子的な基盤となっている。魚類においては,視細胞の形態・視物質の吸収極大波長・オプシンのグループの間に基本となる対応関係がある。魚類は,視物質の発色団あるいはオプシンを切替えることにより,光環境に適応している。


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