カエル・オプシンの解析


カエル視細胞とオプシン



 カエルには他の脊椎動物には見られない緑桿体視細胞などの興味深い視細胞が存在する。ここらの視細胞に発現する光受容タンパク質(オプシン)遺伝子はどのようなものなのであろうか? 私たちは、カエルの網膜に発現するオプシン遺伝子の単離を試みた。
 我々はカエル網膜に由来するcDNAを検索し、3種のcDNAを得た。それぞれのサブファミリー名に因んで、それらをRc-Rh (rhodopsin), Rc-SWS2 (RcVP-MS), Rc-SWS1 (FCV) と呼ぶことにする。それらのオプシン遺伝子をin situ ハイブリダイゼーション・免疫組織化学的研究・培養細胞での強制発現などにより調べ結果、上図に示すようなオプシンがそれぞれの視細胞に発現していた。また、カエルの緑桿体には、キンギョやニワトリの青感受性錐体視物質とよく似た視物質が存在していることが明らかになった。


参考文献

・赤桿体視物質(Rc-Rh):Kayada, et al. (1995) Cloning and expression of frog rhodopsin cDNA. Comp. Biochem. Physiol., 110B(3), 599-604. (PubMed)
・短単錐体視物質(Rc-SWS1):Hisatomi et al. (1998) Primary structure and characterization of a bullfrog visual pigment contained in small single cones. Comp. Biochem. Physiol., 119B(3), 585-591. (PubMed)
・緑桿体視物質(Rc-SWS2):Hisatomi et al. (1998) Primary structure of a visual pigment in bullfrog green rods. FEBS Lett. 447(1), 44-48. (PubMed)


リンク

  • 脊椎動物の視物質(概要)
  • メダカの視物質
  • イモリの視物質
  • ヤモリの視物質

    その他
  • ウシガエル・S-モジュリン
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